構図は忍び足
構図は忍び足
なんとなく、は怖いかも
11月15日の人物画教室で描いたパステル画が気に入らないので、油彩画に描き直しました。この時、トリミングを大幅に変更しました。そのことが、構図の問題を改めて考えるきっかけにもなったのでした。
「ま、これでいいか」と思っていつも描き始めるのですが、知らず知らずのうちに、固定観念のようにこびりついた美意識、つまりお気に入りの構図で描いてしまっていることに気がつきました。思い切った線や、使ったことのない色を塗りつけることは、想像を絶するほど困難であるのと同じように、デタラメな構図で絵を描くのは、とても難しいことです。
よほど冒険をしたつもりでも、いつのまにか自分らしい作品に収まってしまうのです。進歩がないわけです。
美意識は価値観と同じで、忍び足で入り込み、いつの間にやら自分をがんじがらめにしている。決まりきった方向に誘導しようとする。絵を描く者にとって、それは怖いことだし致命傷になりかねない。
いまの自分が、どれほど身動きの取れない陳腐な感性の中にいるのか?を確認するために、我が家の草木を写メに収めて、トリミングしてみることにしました。
今年も咲いてくれた、ツワブキと落ち葉。三角構図といわゆる三分割法が見て取れる。凡庸を絵にかいたような構図になってしまう
山茶花のつぼみ。三角形の安定した構図を無意識のうちに探しているよう
すっかり紅葉したハナミズキを下から見上げる。枝ぶりがトンネル効果となって遠近感を出している。何気なく映したスナップでも、トリミングするとお馴染みの構図に落ち着いてしまう
玄関わきの側溝のフチで生きながらえているコケ。説明しずらい形態と構図に。なかんずく『マシ』な一枚になったか?それにしても、ズレること、はみ出すことの難しいこと。日の丸構図のタヌキのつぶらな瞳がせめてもの慰めに
アートギャラリー まなりや
大阪府枚方市。京阪本線 牧野駅から徒歩3分のアートギャラリー。
