命には形があった

命には形があった

つつじの根っこが感動的になっていた

2~3年前に、刈り込みすぎが原因で、石垣のつつじを枯らしてしまいました。押しても引いてもびくともしないので、枝を払ったきり、腐るのを待つほかないと放置していたのです。今日、たまたま足をのせると動いたので、何十年ぶりかで石垣から引きはがしました。

よくもまあー、3センチ四方のわずかばかりの岩の隙間に根を差し込んで生き続けたものだと感心しました。しかも春が来ればピンクの花を地球儀型にこんもり咲かせてくれていたのですからすごい。

植物も動物も、それぞれが持っている独特の生き様というか生命力というか、本来からだの内側にあるべきものが、隠しきれずに形となって表に出てくるもののようです。秋の風に吹かれながら、のびやかに咲き誇るコスモスのような花もあれば、このつつじのように、岩の隙間にしがみついて、おそらく眉間に皴を作りっぱなしで生き延びてきたであろう花木もいるわけです。

永年積み重ねてきた苦痛が、腸重積のような幹のゆがみの重なりに見て取れます。すでに芯は腐ってスカスカで簡単に二本の指で持ち上げられるほどではあっても、畏怖の念を抱かさずにはおかない力強さが、その《形》に宿っています。

ふと頭をかすめたのが、ちかごろ買い物などで商店街を歩いているときに目にする、ガラス窓に映った己の姿の、そのあまりにも緊張感のない姿、《形》です。

羞恥心は意外な物の意外な角度から矢のように飛んできて胸に刺さります。

処分する前に、心のうちで手を合わせながら、つつじの根っこの記念の写真を撮らせていただいた次第です。



アートギャラリー まなりや
大阪府枚方市。京阪本線 牧野駅から徒歩3分のアートギャラリー。

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